ポール・ケアホルム
国際的な影響力を発揮した理想主義者
グローバルな影響を受けたタイムレスデザイン
ポール・ケアホルムは、建築家と教授という職業を通して、国際的に著名なデザイナーになると同時に、モダニズムの立役者の一人ともなりました。
ポール・ケアホルム (1929-1980) は、機能主義的で妥協のないデザイン、画期的な素材の使用、デンマークの伝統的なクラフトマンシップに根差しながら国際的でもあるスタイルで知られる、影響力のあるデザイナーでした。生涯を通じてスチール、レザー、ガラスを使用したさまざまな家具を生み出し、部屋に溶け込みながらも際立つデザインの名作を少なからず世に送り出しました。
ケアホルムはデンマーク王立美術アカデミーでの長年にわたる教員生活を優先し、家具デザイナーとしては比較的短期間しか活動しませんでしたが、その卓越したクラフトマンシップと純粋なデザイン表現により一連の傑作を生み出し、没後も長きにわたり影響を与え続けています。
ポール・ケアホルムは、ヘリット・リートフェルト、ミース・ファン・デル・ローエ、ピート・モンドリアン、チャールズ&レイ・イームズなどの世界的なパイオニアの影響を受けました。戦後は、当時のデンマークデザインを特徴づけていた流線的で有機的な形状と決別し、新たな方法で伝統と革新を融合させて、工業デザインを思わせるシンプルでモダンなデザインを生み出しました。
1929年にユトランド北部の村ウスタヴラで生まれたケアホルムは、家具職人として修業した後、コペンハーゲンのデンマーク王立美術アカデミーで家具デザインを学び、1952年に卒業しました。その後1955年に講師としてアカデミーに戻り、1976年にオーレ・ヴァンシャーの後継として教授に就任し、1980年に亡くなるまでアカデミーで教鞭を取りました。こうしてケアホルムは、その作品と後進の指導を通じ、国際的に影響力のある人物となったのです。
ケアホルムは世界的な流行に敏感だっただけでなく、コーア・クリントにも影響を受けました。クリントはシンプルさと機能性を守りつつデザインからあらゆる無駄を削ぎ落す方法を見つけ、それによりデンマーク王立美術アカデミーの方向性を確立したデザイナーで、そのアプローチはケアホルムにもそのまま当てはまります。
家具デザイナーとしてのケアホルムは理想主義者で妥協を許さず、デザインをどこまでも研ぎ澄ましていこうとして、美の追求と当時の工業技術の限界の間で常に悩んでいました。
ケアホルムは自分自身を家具デザイナーとは思わず、スペースを創り出しているのだと考えていました。事実、特定の場所を念頭に置いて家具をデザインすることが多く、デザインを徹底的に追求しディテールにこだわった姿勢は、今日でも称賛の的となっています。ケアホルムは、自身の言葉を引用すると、各素材が独自に秘めた言葉を表現しようとしたのです。
ポール・ケアホルムは、デンマーク王立美術アカデミーでの指導と同様に、名作家具のデザイナーとして、その功績が国際的に認められています。ケアホルムの家具デザインには、ニューヨーク現代美術館をはじめ国際的な美術館に収蔵されたものも数々あり、1958年のLunning賞、1960年のEckersbergメダル、複数のID賞を含む多くの賞を獲得しています。
「私は素材が本来持つ言葉を表現したい。」
ポール・ケアホルム
当社のデザイナー
カール・ハンセン&サンの製品を選ぶことは、単に家具を買うことと同義ではありません。それは、美しく磨き抜かれたクラフトマンシップの長く誇り高い伝統の一部になることなのです。当社はハンス J. ウェグナーのデザインを世界で最も多く製作する家具メーカーであるとともに、アルネ・ヤコブセン、ボーエ・モーエンセン、オーレ・ヴァンシャー、コーア・クリント、ポール・ケアホルム、ボディル・ケア、安藤忠雄など、名だたる家具デザインの巨匠たちの作品も製作しています。100年以上にわたる豊かな歴史を誇るカール・ハンセン&サンは、デンマークデザインを代表する家具を世界中で販売しています。
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