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ナナ・ディッツェル&ヨルゲン・ディッツェル

デンマークデザイン界で最も個性際立つ人物の一人。

デンマークデザイン界で最も際立った人物の一人。

デンマークの建築家ナナ・ディッツェル (1923-2005) とヨルゲン・ディッツェル (1921-1961) は、実験的で型破りなデザインを追求し、共同でのキャリアを通じてデンマークのデザインに大きな足跡を残しました。二人の革新的な作品は、伝統的な機能重視のデザインの再考を促し、数々の国際的なデザイン賞を受賞しています。コペンハーゲンで育ったナナ・ディッツェル (旧姓ハウベルク) は、自由への強い憧れと、日常の身近なものをよりよくしたいという情熱に常に突き動かされていました。ナナはこのようにして、1940年代の若い女性には非常に珍しいキャリアを選び、家具職人として、そして後にデンマークデザイン学校およびデンマーク建築学校で家具デザイナーとして研鑽を積むこととなったのです。

ナナ・ディッツェルと椅子張り職人のヨルゲン・ディッツェルは、コーア・クリントなどのもとで学びました。現在、先駆的な改革主義者と見なされているクリントは、スタイルを至上とする伝統的な教え方から離れ、建築や家具デザインを実用的な観点から考えるという革命的な理念を取り入れました。しかし後に、ナナとヨルゲンはクリント派の思想を離れ、1940年代の国際的なデザインシーンで隆盛を誇った有機的モダニズムにインスピレーションを受け、想像力を自由に発揮して、大らかなデザインを生み出しました。

ナナとヨルゲンは1946年に卒業後、結婚し、デザインスタジオを立ち上げました。二人のコラボレーションは非常に成功し、伝統的なデザインの慣習を打ち破るようなさまざまな家具を共同で生み出しました。そのデザインは、空間を考慮しつつ、人間の体に基づいて行われ、馴染みのある材料や製作方法にも批判的でした。二人のデザインと、新しいフォルムや機能を追求する姿勢は、ある意味で自由な遊びのようなものであったとも言えます。自由で豊かな生活を支える家具を作ろうとし、その中には自らのニーズから生まれたものも少なくありませんでした。

1954年にナナとヨルゲンがデザインした伝説のハイチェアは、現在ではデンマーク文化の金字塔の一部を成しています。二人は共同でデザインを生み出した15年の間に、世界的に有名なミラノ・トリエンナールとルニング賞で金賞と銀賞の両方を獲得しました。変化と革新を積極的に受け入れ、当時の前衛的なデザイナーの中心的存在となり、国際的にもそのアイデアに共鳴する人々を得ました。

ヨルゲン・ディッツェルは1961年に病に倒れ、わずか39歳でその短い生涯を閉じました。ヨルゲンの死後、若いナナ・ディッツェルは3人の幼い子どもたちの世話と2人のデザインスタジオの経営に忙殺されましたが、それにもかかわらず、自身の表現力をさらに高め、今日ではデザインの名作とされる幅広い作品を生み出しました。

その後、ナナは一度ロンドンに転居しますが、1987年にコペンハーゲンに戻り、自身の名前を冠したデザインスタジオを再設立すると、家具、日用品、ジュエリー、ファブリックなどの分野で表現力豊かなデザインを生み出し、デンマーク屈指のデザイナーとしての地位を確立しました。ナナは2005年に亡くなるまで、スタジオの運営を続けました。

Featured designs by Nanna Ditzel

    • Hans J. Wegner

      デンマークの家具デザイナー、ハンス J. ウェグナー (1914-2007) は、家具づくりにおける精度の高さ、クラフトマンシップに対する優れた洞察力、デザインに対する妥協のない姿勢で知られており、史上最もクリエイティブで革新的、そして多作なデザイナーの一人に数えられています。

    • Ole Wanscher

      オーレ・ヴァンシャーは、機能性溢れる、優雅なデザインでデニッシュモダンの流れに大きな足跡を残しています。クリントが教鞭をとる王立芸術アカデミー家具科に在籍し、クリントの下で2年間仕事をした後、1928年自身のデザイン事務所を設立。家具デザイナーに専念していきました。クリントの後継者として王立芸術アカデミー家具科の教授にも就任。デンマークデザイン界をデザイナーとして、教育者として牽引してきました。

    • Kaare Klint

      建築家のコーア・クリント (1888-1954) はデンマークデザインを導く光のような存在であり、プロポーションに対する独自の理解によって、デンマークモダンというコンセプトの礎を築きました。

    • Poul Kjærholm

      デンマーク人のポール・ケアホルム (1929-1980) は、機能主義的で妥協のないデザイン、画期的な素材の使用、デンマークの伝統的なクラフトマンシップに根差しながら国際的でもあるスタイルで知られる、影響力のあるデザイナーでした。

    • Tadao Ando

      日本の伝統と西洋のモダニズムを見事に融合する日本人建築家 安藤忠雄。ル・コルビュジェの影響を受けた、機能を重視した、ミニマルで斬新な作風で知られています。

    • Frits Henningsen

      妥協をしない、完璧主義を貫いたデザイナーとして知られたフリッツ・へニングセン。常に家具の品質と職人のクラフトマンシップを最優先に製品を開発し、自分でデザインから製作までこなしていました。

    • Naja Utzon Popov

      デンマークのデザイナー、ウッソン・ポポフ。幼少からモダンデザインに接してきたその生い立ちがテキスタイル、ガラス器、セラミック、彫刻とあらゆる彼女の作品に投影されています。現在ウッソン・ポポフの美しいデザインは、世界各地で高く評価されています。

    • Strand & Hvass

      デザイナーデュオ、ストランド+ヴァスは、デニッシュモダンの黄金期を築いた巨匠たちの、知識と才能を継承する新世代のデザイナー。デニッシュモダンの伝統を取り入れながらも、そこに斬新な表現と機能を追求したExtend Tableは彼らの代表作です。

    • EOOS

      マーティン・ベルグマン (1963~)、ゲルノット・ボーマン (1968~)、ハラルド・グリュンドル (1967~) の3人が設立したデザインスタジオEOOSは、デザインへの詩的なアプローチで高い評価を得ています。

    • Thomas Bo Kastholm

      多様な素材を融合することで、明確な機能と美しさを備えた製品を生み出す、トーマス・ボー・カストホルム。デニッシュモダンの伝統を継承するTK8デイベッドは、そうしたカストホルムのオリジナルコンセプトが形になったものです。

    • Morten Gøttler

      モーテン・グットラー (1944-) は、素材、フォルム、機能性に対し独自の解釈を持ったデンマークのデザイナーです。

    • Mogens Lassen

      ル・コルビュジエに影響を受け、数々の業績を残す建築家モーエンス・ラッセン。デンマークにおける機能主義の先駆者として、素材に関わらず自身のアイデアを形にする見事な才能を発揮しています。

    • Anker Bak

      デザイナー兼家具職人のアンカー・バック (1983年~) は、人間を中心として問題を解決するものとしてデザインを捉えていることで知られています。

    • Børge Mogensen

      ボーエ・モーエンセン(1914-1972)は、使用する人びとを核とする、その独特のデザインアプローチで耐久性に優れた家具を世に送り出してきました。第二次大戦後、デニッシュモダンを牽引した大きな影響力を残すデザイナーの一人です。

    • Bodil Kjær

      デンマークのデザイナー、ボーディル・ケアは教授、デザイナーとして世界中を飛び回り、デザインと建築の関係についての自身の知識を広め、デニッシュモダンの基本コンセプトの普及に大きく貢献してきました。

    • Thorup & Bonderup

      最も多作なポストモダンデザイナーに数えられるクラウス・ボンデルップ (1943-2022) とトーステン・ソーラップ (1944-)は、建築や国際的なデザインプロジェクトから工業デザインまで、あらゆるものに足跡を残してきました。

    デンマークデザイン

    正統派の体験

    最長5年間保証

    カール・ハンセン&サンの製品を選ぶことは、単に家具を買うことと同義ではありません。それは、美しく磨き抜かれたクラフトマンシップの長く誇り高い伝統の一部になることなのです。当社はハンス J. ウェグナーのデザインを世界で最も多く製作する家具メーカーであるとともに、アルネ・ヤコブセン、ボーエ・モーエンセン、オーレ・ヴァンシャー、コーア・クリント、ポール・ケアホルム、ボディル・ケア、安藤忠雄など、名だたる家具デザインの巨匠たちの作品も製作しています。100年以上にわたる豊かな歴史を誇るカール・ハンセン&サンは、デンマークデザインを代表する家具を世界中で販売しています。