プレーベン・ファブリシャス & ヨルゲン・カストホルム
機能とミニマリズムのクリエイティブな融合
デンマークのデザイナー、プレーベン・ファブリシャスとヨルゲン・カストホルムは、機能的でミニマルなデザインを共同で生み出し、独自のスタイルにより国際的な名声を確立しました。
デンマークのデザイナー、プレーベン・ファブリシャス (1931–1984) とヨルゲン・カストホルム (1931–2007) のデザインは、「機能性」と「ミニマリズム」がキーワードです。共同でデザイン活動を行った二人は、家具職人と金属細工職人というそれぞれのバックグラウンドを完全に一体化させることで、世界的に有名な家具や照明のデザインを生み出しました。二人が共同で立ち上げたデザインスタジオは木材、スチール、レザー、ガラスなどを駆使して、ミニマルで機能的なデザインの幅広いコレクションを生み出し、設立からわずか7年の間に国際的に広く認められ、高い評価を得ることとなりました。
ファブリシャスとカストホルムのデザインはデンマークモダン時代の王道を行くものであり、二人の作品はその典型と言えるでしょう。そのデザインは機能的かつミニマルで、繊細なディテールと上質の素材を活かしたものです。二人は、ハンス J. ウェグナーやアルネ・ヤコブセンなどのデンマークデザインの大家や、チャールズ&レイ・イームズ、ミーズ・ファン・デル・ローエなどの国際的に著名なデザイナーから受けたインスピレーションを基に、他のデザイナーなら隠したがるような部分を逆に美しく強調する、「正直」とも言えるデザインの創出に秀でていました。ファブリシャスとカストホルムはテーブルに向かい合って座りながらデザインの作成を行い、それぞれが独自の貢献をしながらも、誰が何を描いたのかわからなくなるまで図面を交換し合う共同作業を続けました。
プレーベン・ファブリシャスは木材接合の名人ニールス・ボッダーの下で家具職人としての修行を積む一方、ヨルゲン・カストホルムは父親の会社で金属細工職人として訓練を受けました。二人が初めて出会ったのは1950年代のことで、二人ともデンマークのインテリアデザイン学校 (現王立デンマーク建築デザイン保全アカデミー) で勉学を続けることを決めた後でした。フィン・ユールの門下生だったファブリシャスは、1957年にオーレ・ハーゲンのデザイン工房に就職し、その数年後にカストホルムと再会を果たしました。
ヨルゲン・カストホルムは十代を米国で過ごし、その後も各国を転々として国際的なキャリアを積んでいくこととなります。その後、カストホルムはDen Grafiske Højskole (現デンマークメディア・ジャーナリズム学校) で勉強を続ける傍ら、アルネ・ヤコブセンの下で働きました。カストホルムは家具デザイナーとしてキャリアを積む過程において、ヤコブセンから大きなインスピレーションを受けることになります。1959年、カストホルムはレバノンのベイルートに居を移してデザインスタジオに勤務し、サウジアラビア国王向けにSASラウンジや宮殿の設計を担当しました。その後はデンマークに戻り、オーレ・ハーゲンのデザインスタジオに就職しました。
デザインスタジオでの再会により、ファブリシャスとカストホルムはお互いに、機能性とミニマリズムを重視した、洗練されたデザインを目指していることに気づきました。こうして二人は、1961年に自分たちの名を冠したデザインスタジオを設立しました。初期のデザインでは木材を多用しましたが、やがてスチールやレザーもデザインに取り入れるようになり、カストホルムの金属細工職人としてのバックグラウンドを活かすようになりました。
しかし二人は1968年に解散し、ファブリシャスは自らのデザインスタジオを設立して、ドイツの家具メーカーWalter Knoll社などに向けて家具をデザインしました。その後1978年以降は、母校であるインテリアデザイン学校で教鞭を取り、1984年に死去するまで教壇に立ち続けました。一方、カストホルムも自身の名前を冠したデザインスタジオを設立し、大手家具メーカー向けに家具デザインを続けると同時に、編集者や作家としても活躍しました。
カストホルムは1971年にドイツのデュッセルドルフに移住し、自らのデザインスタジオを立ち上げると、2007年に亡くなるまで国際的な家具メーカー向けに家具をデザインしました。また、1975年から1996年までドイツのヴッパータール大学(BUW)の教授を務め、家具デザインと製品開発を専門分野としました。
ファブリシャスとカストホルムのデザインはニューヨーク現代美術館やパリのルーブル美術館をはじめ、世界各国の美術館やデザインセンターに収蔵されています。また二人は、1969年に初めてドイツで開催されたDie Gute Form賞、同年のIllum賞、1995年のRed Dot賞など、共同で、あるいは個々に、数々のデザイン賞や表彰を受けています。
当社のデザイナー
カール・ハンセン&サンの製品を選ぶことは、単に家具を買うことと同義ではありません。それは、美しく磨き抜かれたクラフトマンシップの長く誇り高い伝統の一部になることなのです。当社はハンス J. ウェグナーのデザインを世界で最も多く製作する家具メーカーであるとともに、アルネ・ヤコブセン、ボーエ・モーエンセン、オーレ・ヴァンシャー、コーア・クリント、ポール・ケアホルム、ボディル・ケア、安藤忠雄など、名だたる家具デザインの巨匠たちの作品も製作しています。100年以上にわたる豊かな歴史を誇るカール・ハンセン&サンは、デンマークデザインを代表する家具を世界中で販売しています。
* インドア家具:5年間保証。アウトドア家具:2年間保証