NEW
ND52-3 | Vita Sofa
材料:
ウォルナット材, オイル仕上げ
Upholstery:
Hallingdal 270 & Hallingdal 370
1952年にナナ&ヨルゲン・ディッツェルがデザインしたND52 ヴィタソファは、1950年代の機能主義が重んじた厳格な幾何学に対し、柔らかく有機的なフォルムで挑んだ意欲作です。優美に露出した無垢材フレームが、まるで宙に浮かぶような彫刻的でハイバックのオープンシェルをしなやかに支えています。座面クッション、背もたれ、ボタンに至るまで、ファブリックまたはレザーを用いて一つひとつ手作業で丁寧に張り込まれています。
空間の探求と技術の限界に挑戦することでデザイン界に名を馳せたデンマーク人デザイナー、ナナ・ディッツェル。その気品ある人格でもよく知られていました。伝統に捕らわれない自由奔放なデザインアプローチと確固たる技術への造詣。アクセサリー、テキスタイル、そして家具と革新的なデザインを次々と創り出したデザイナーです。60 年に渡る仕事を通じてデンマークデザイン界に大きな足跡を残した、ナナ・ディッツェル。機能的なデニッシュモダンの伝統に、独特の華のある美学を加えたデザインは住宅をはじめ数多くのパブリックスペースで使用されています。
浮遊感をまとう、彫刻的フォルム
デンマークデザインの歴史を彩るナナ&ヨルゲン・ディッツェルは、デンマーク工芸美術学校で出会い、そこで共同制作の道を歩み始めました。 1946年にスタジオを設立した二人は、当時主流だった機能主義の硬直した枠から解き放たれ、新たな表現を追求する実験精神と好奇心をもって家具デザインに挑み続けました。 1952年に誕生したND52 ヴィタソファは、形と素材の可能性を探る夫妻の革新的な姿勢を象徴する作品です。機能主義の幾何学的ラインとは一線を画し、柔らかく有機的なフォルムを描きます。露出した無垢材のフレームが、しなやかにカーブする支えのあるハイバックのオープンシェルを優雅に受け止め、その姿はまるで宙に浮かぶような軽やかさを漂わせます。背もたれ、ボタン、座面には、精緻な手作業の張り地が施され、表情に深みを添えています。 控えめでありながら上質な佇まいを持つND52 ヴィタソファは、住宅空間にもコントラクト空間にもふさわしい一脚です。