ワイナリーは、2012年にPaulo Bulgari と Giovanni Bulgariによって建てられました。現在もGiovanni Bulgariが運営し、3種の高級赤ワインを生産しています。4500㎡からなる建物には生産施設、オフィス、そしてワインのテイスティング施設を完備。モダンでミニマルなスタイルで全体が統一されています。素材には、厳選された自然素材を選択、周囲の田園風景との相互作用がデザインの重要なポイントとなっています。建物のベースは長方形、南に面した斜面に一部が埋め込まれるように建ち、上部の2フロアからは周囲が全貌できるようになっています。これに対し、低層階部分は南側だけが開口されています。 

建物を構築するのは、明るいベージュ色を施したコンクリートパネル。周囲に広がる田園風家の緑色、黄金色と見事な調和を見せています。大きな長方形の部屋を囲み、縦方向に伸びる長い壁状の構造が印象的なデザイン。86㎡のテイスティングルームからは下の階にまで続く、ガラスの壁越しに、美しい景色が堪能できるほか、ここにはオーク材のワイン樽を保管する大きなホールが設置されています。

100％ワインに集中できるよう、テイスティングルームのインテリアは、機能を重視したシンプルなデザイン。床には野性味あるライトブラウンの手焼きのクレイタイル、ガラスの壁を越しテラスまで続いています。160 x 700 ㎝の大テーブルは、設計士のオリジナルデザイン。素材はワックスで仕上げたオーク材、脚は青銅色の鉄製となっています。照明は、テーブルの上方にのみ設置。点灯されると、さらに緊張感が空間に生まれます。テーブルの周囲に配置された30脚のYチェアだけが、空間で唯一の座るための家具。そのオーガニックな美しいフォルムで空間を美しく演出すると同時に、優れたコンフォートで見事に機能を果たしています。

- CH24を導入したことについてのMassimo Alvisi 氏と 桐本潤子氏のコメント