店の仕掛人であるOmar Shabaan氏は、エジプトの飲食業界では高い評価を受ける人物。Omar’s Placeを開業することで、新たなビジネスをロンドンで展開することになりました。Omar’s Placeが位置するのは、通りの角にあるビル。１階にレストンとバー、地下が厨房と化粧室になっています。Shabaan氏がインテリアで重視したのが、南国のイメージ。Sella ConceptのオーナーGayle Noonan とTatjana von Steinにインテリアデザインを託し、古めかしいビクトリア王朝様式のパブを、魅惑的で開放感あふれる、地中海風の店舗を実現しました。 

Sella Conceptは、「太陽」をイメージの核としインテリアデザインに着手。カーブ、丸みを帯びた形状を多用した空間を創り上げました。使用されるほとんどの什器は、この店舗のために特別にデザインされたものです。空間全体を通し、木材、耐候性スチールといった自然素材にこだわり、配色も温かみのあるアースカラーを全体に配しています。

地中海風であることはもちろんですが、レトロな未来感覚や70年代を彷彿させる雰囲気も醸し出しています。その結果、多くの人を引き付ける魅力的な空間が完成しました。 

空間に温もりを演出するのは、ピーチ色の漆喰を施した壁とダーク色のベロアを張った真鍮製の椅子やラウンジチェア。そして、レストランの通路や部屋の中央部の円形スペースをはじめ、空間の随所に床から天井に伸びる、サぺリ材のパネルが使用されています。また、曲線を描くカウンターに用いられたグリーンの大理石とそのパネルに用いられた明るめのグレー色が壁の暖色と美しいコントラストを出しています。そして、円形のモチーフは、出入り口、アルコーブ、鏡など空間の各所に繰り返し使用されています。ダイニングチェアとして使用されているCH88の背もその一つです。木部の素材はホワイトオイル仕上げのオーク材、明るめの色がサぺリ材に見事に調和しています。座は、ブルーグリーンのベロア、オーク材と見事なコントラストを演出しています。